こんにちは、私です。
SNOWポータブルをクリアしました。
感想とか話そうと思います。
※これ書いてる時点ではメインシナリオが完結する桜花ルートまでしかやってません。
【おおざっぱな感想】
恋愛アドベンチャーではない。
ささやかなミステリー要素を添えたアドベンチャー。
ヒロイン全員がクソ不幸になるのでイチャイチャするつもりで遊ぶと心が破壊される。
秀逸な演出やシナリオもあるが後半にいくにつれて全体的につじつまの合わない箇所が出てくるので人によっては結構イライラしそうだなあという印象。
でもほとんどのルートで泣いちゃった。
【ゲーム性の感想】
シナリオは結構振れ幅がある。
納得のいくシナリオと理解できないシナリオがあった。
でもどちらにも共通して言えるのが、キャラクターをめっちゃ大事にしてる。
ルートによってキャラがブレる事はあったけど、そのルートの主役になるヒロインは背景を知ると本当に一言一句に意味があって涙を誘う。
で、そのキャラクターをさらに引き立ててるのが演出。
ヒロインを背負った際に画面にヒロインの腕が出現したり、抱き上げた際に右側に専用立ち絵でキャラが接近したり、雰囲気作りがすごく良かった。
僕の場合、シナリオにはかなり不満があるけどこのキャラクターに対する努力のおかげでどのヒロインも本当に大好きになれた。
【ルート別感想】
・雪月澄乃
メインヒロイン。
澄乃が10年間ずっと抱えていた想いが重すぎて後半はずっと辛い。
「どうしてこんな事になってしまったんだ…」ってずっと落ち込んでた。
でも最後の謎の記憶喪失→謎の高熱→謎死→なぜか主人公も死の下りが意味不明すぎて「???????」って感じだった。
それが気になりすぎて正直ラスト以外あんまり印象に残ってない。
あとこの時点で桜花の正体がほぼわかる。
・日和川旭
ウサギちゃん。
実は最初に攻略したのが旭でした。
恋愛アドベンチャーってどうもへたくそで、毎回最初だけみんなに優しくして予定外のルートに転がっちゃうんだよね。
掛け軸から出てきたのまでは理解できたけど、どういう過去があったのかはあんまりこのルートでは語られないのでいまいち過去がつかめない。
ただ終盤はめちゃめちゃ泣かせに来るし光を失った旭の立ち絵がショッキングすぎて最近ずっと「旭ショック」と名付けて落ち込んでた。一番話のまとまってるルートだと思う。
この子だけドラマCD版もAmazonで購入して聞いたんだけどあっちの方が話が整理されてて見やすい。
でも整理されてる分話も軽くなってるのでこっちの方がダメージはでかい。うっ…
・レジェンド
ルートというか、別モードで過去にこの里で何があったのかを見る外伝って感じ。
旭の事もよくわかったしなんで澄乃が死んだのかもここで理解できる。
ただ納得はしたくない。
このルートをやってから旭を攻略したほうが泣けると思う反面、このルートをやるとこれ以降永遠に菊花に腹が立ってしまう。どうすればいいんだ。
旭、澄乃ルートのみでは芽衣子がかなり嫌なキャラクターだったが、このルートが終わると好きになれる。
・北里しぐれ
ガチでかわいそうな女。
でもこのルートはかなり滅茶苦茶で唯一全員がハッピーエンドを迎える神ルートでもある。
過去に戻って白桜と菊花が一夜を過ごさなかった世界線にする事で
澄乃→菊花の生まれ変わりじゃなくなるため天罰により死ぬ事がない。
彼方(主人公)→誰と会っても不幸にしない。
旭→何も言われず掛け軸にぶちこまれたためたぶん彼方とも会ってない。
しぐれ→最愛の主人公と神として再会できる。(ぼかして終わるため謎の力で人間に転生した可能性あり)
芽衣子→鳳仙が永遠の命をもらわなかった世界線のためおそらく似てる顔の別人
桜花→一夜を過ごさなかった事により生まれてない
なんて幸福なルートなんだ…
スケベするとバッドエンドになる分岐とか、やりたい放題ながらもキャラクターが大切にされてて良かった。
というかこのゲームはどのルートもそのルートのヒロインのキャラクター性がめちゃくちゃ大切にされてる。
・若生桜花
メインシナリオの最終ルート
正直全ルートで一番微妙でつじつまがあってない。
多すぎるので簡潔に書くと。
・彼方の事を忘れると言って姿を消したはずの旭がなぜか戻ってくる、しかも一切言及がないまま終わる。別のウサギだったのか本当に全部忘れちゃったから戻ってくるバカウサギだったのかも不明
・別に過去が変わってないのに澄乃が生きてるのがよくわからない。しかも澄乃が死ぬ2月末はこのルートだとスキップされる。どうして。
・桜花の正体を芽衣子が知ってる理由がよくわからない。桜花の姿が見えなくても霊の気配が感じ取れるまではわかる。でもなんで澄乃と彼方にだけ見えてるっていう情報だけで生まれてないから顔も知らないはずの娘の正体がわかるんだ?背後霊でもいたんか?
・桜花は霊だから彼方と澄乃以外は透けてしまうシステムが不自然すぎる。旅館で暮らしてたのに10か月間里の人とも旅館の客とも接触してなかった事になる。無理がある。
・小夜里さんが澄乃と一切連絡をとっていないのが澄乃のキャラクター的に不自然。澄乃がうっきうきで彼方からのプロポーズは報告するのに小夜里さんは彼方が雑貨屋に桜花と遊びに来て以降一度も桜花の事を見てない知らない聞いてないという話し方を終盤でする。娘同然に育ててた女の子の話を一切親にしない澄乃は澄乃じゃないだろ。
という感じでかなり強引なのが気になって終わった後もたくさんの疑問を残していった。
PSP移植前のオリジナル版はここで全シナリオが終了だそうなので発売当時のプレイヤーはみんな頭抱えたんじゃないかな。
僕は旭ルートがかなり好きだったのと、里の謎に迫っていくのが面白くて楽しめたけど人によっては普通に駄作判定だしそうなオチだと思う。
ここまでのルートで正体や展開がほとんどわかりきってしまってたのもオチの弱さに拍車をかけてたと思う。
ぼろくそに言ったけど桜花のキャラクターが大切にされてるのはやっぱり良かった。
記憶が混ざってるはずなのにまるで両親を失ったのを覚えているかのように彼方に気を使ったりする下りはとくに刺さった。
【総評】
何度も言いますが、いや何度でも言いますが、キャラクターを大切にしているノベルゲーだなと思いました。
不自然だったり理不尽な設定やシナリオがあっても、そのルートの主役になるキャラクターは常に大事にされてる。
これのおかげでどのレジェンド以外はどのキャラクターも最終的には大好きになれた。
旭なんて正直好みとかけ離れてるからね。
最初はタイプじゃなさすぎて嫌だなあとか思ってたのに今は旭最推しです。
泣かせるための工夫がすごいので泣きたい人にはオススメしたい。
プレイヤーの想像に任せる部分が多かったり、全体的に暗かったりするので人は結構選ぶと思う。